血圧は心臓が血液を全身に送り出す時の圧力のことですが、高血圧である場合、これを放置すると動脈硬化を起こし、
高血圧のもっとも気をつけなくてはならない様々な合併症を招くことになります。高血圧の原因は「これだ!」というものははっきりしていませんが、遺伝的体質や生活習慣が関与していることは解明されています。
メタボリックシンドロームという言葉を最近よく使うようになりましたが、肥満、血液脂質の異常などがあると、高血圧の危険度はさらに高くなっていきます。
心臓
高血圧は心臓肥大を招き、これが心不全につながり、動悸、息切れ、呼吸困難などに陥ります。
また動脈硬化によって冠動脈の内膣が狭くなっている場合は、血液の供給が大きく低下すると狭心症に陥り、胸の中心が締めつけられるような痛みと圧迫感がもたらされます。
冠動脈がさらに狭くなって血栓で詰まった状態になると、血液が供給されないところが壊死することになり、これがもっとも警戒が必要とされる心筋梗塞です。左手のしびれ、
左の肩が異様にこる、あごのあたりの感覚などが異常な場合などは要注意。
脳
脳の動脈硬化があるところに血栓が詰まると脳梗塞が発症します。血液が流れず、酸素や栄養が供給されないと脳細胞は壊死して、
重い場合は、マヒ、意識不明、言語障害、認知症に似た症状などももたらします。脳卒中は死亡原因の三位ですが、脳梗塞が62%、脳内出血が25%、くも膜下出血が11%の順になっています。
頭痛、やけに光がまぶしい感じがある、手の親指だけがしびれるなどの症状がある場合などは要注意。
腎臓
腎臓は血圧をコントロールする臓器ともいわれます。だるさ、むくみ、食欲不振などが続き、それを放置していると腎臓機能低下をさらに促し
、腎不全にまで疾患を進行させることになります。養生の場合はカリウムやたんぱく質を積極的に摂取することが大切ですが、病気のレベルまで進んだ場合は、
逆にカリウムやたんぱく質を制限することが重要になります。めまい、耳鳴り、貧血の悪化、脱毛、関節痛、体温の低下などがある場合は要注意。
糖尿病
血圧と糖尿病は直接的な関係はありませんが、高血圧の人は腎機能も低下していることが多く、糖尿病の発症率は2~3倍ということが解っています。
また、高血圧と糖尿病が一緒になると症状はさらに加速され、大血管、小血管に障害がより起こりやすくなります。
だるさ、のどの渇き、お茶や水分が異常にほしい、排尿回数が多い、眠い、目がかすむ、足がつる、立ちくらみ、手足のしびれなどがある場合は要注意。